生と死が交錯する中で

夫の死から半年が経ち、私は元気な女の子を出産した。
無事に生まれてきたのが奇跡だと思う。

朝は子供と一緒に眠って、夜になると子供の世話をする生活が不思議と苦ではなかった。
むしろ不安と恐怖が訪れる夜の時間に、生きた吐息と鼓動を感じていることに安心感があった。

暗闇の中で小さく燃えている炎が小さくて弱々しくて、それでもとても温かくて…
生ける屍のようだった私が、必死に小さな命を守ろうと奮闘していた。

きみはどんな気持ちでみていたのだろうか…愛する娘の顔を…母親の顔をした私を…
この子はきみが生きていた証…きみはもういないのに…この子の中に生きている…

愛しくて切なくて、まさに生と死の間にいた私だった。

 

 

昔話

Posted by sami