幸せな妊娠生活はどこへ

妊娠後期と言えば、胎動を感じて赤ちゃんを愛おしく感じたり、胎教をしたりしてゆっくり過ごしているはずだった。

こんな服着せたら可愛いかな?こんなおもちゃも見つけたよ!
そう言って笑ってくれるはずのきみが隣にいない。

心が折れそうだよ…淋しくて苦しくて辛いよ。

なんで私ばかりこんな目に合うの。どうして置いていったの…

きみを責めても何も変わらないのに、つい愚痴をこぼしてしまう。
当たり前にあったはずの日常がこんなにも尊いものだったことを改めて実感した。

何をするわけでもなくぼーっと天井を見つめて時間だけが過ぎていく…そんな毎日。
自分の時は止まっているのに周りだけ明るくなったり、暗くなったり忙しく過ぎていく…

泣き疲れては眠るを繰り返し、臨月にはお腹の重さと筋力低下により歩けなくなっていた。
胎教だけはとディズニーのオルゴールを聞きながら、思い出してまた涙…
一生分の涙を流した気がする。

掛け布団が涙の塩分で黄色く変色してるけど、洗濯する元気もなくて放置…
見かねた母が洗濯してくれる。
母とおばあちゃんがいなかったらどうなっていたんだろう…

後と追いたいという考えがたまに頭をよぎるけれど、胎動を感じるたびにハッとして我にかえる。
こんな状態でこの先どうなるのか…

私の幸せな妊娠生活はどこにいってしまったのだろう。
不安と悲しみで私の胸は押しつぶされそうだった。

 

昔話

Posted by sami